「大納言」は、あずきの中で特に大粒で、煮たときに皮が破れにくい特徴を持つ品種群で、その名前の由来にはいくつかの説があります。
一つは、切腹の習慣がない公卿の官位である「大納言」にちなんで名付けられたというものです。この品種が大粒で腹切れが生じにくいことが特徴的であるため、その名前が付けられたと言われています。
また、円筒あるいは俵のような形状が、大納言が被る烏帽子に似ているという説も存在します。 江戸時代には、「大納言」よりも小粒な品種も存在し、「中納言」や「少納言」といった名前が付けられました。
これらの品種も一部地域で現在でも栽培が行われています。 北海道が大納言の栽培面積が一番多い地域ですが、兵庫県や京都府でも「丹波大納言」と呼ばれる品種が知られています。丹波大納言は、種皮が赤く、大粒で俵型をしており、江戸時代から栽培されています。
北海道では「アカネダイナゴン」や「とよみ大納言」などの品種が栽培されており、兵庫県や京都府でもそれぞれ独自の品種が存在します。「京都大納言」もその一例です。 大納言は大粒で、煮くずれしにくいことなどから、甘納豆、鹿の子(かのこ)など豆粒の形状を保った豆製品の原料として用いられます。
引用:日本豆類協会